既存顧客を逃さず新規ターゲットを取り込むLPリニューアルの考え方

こんにちは!
キーワードマーケティングの石川です。

「LP(ランディングページ)をリニューアルして新しい顧客層を取り込みたい」とか、「今までカバーできていなかったニーズを拾いたい」という場面は、意外と多いかもしれません。けれど、その際に見落とされがちなのが、“すでにそのページを見ている人たちがいる”という事実です。既存のLPには、今のコンセプトや情報を求めて訪問し、問い合わせや購入を検討している層がすでにいるかもしれません。

ここで、新しい方針を強く打ち出すためにページの内容を大幅に書き換えてしまうと、それまでのターゲットからは「欲しかった情報がなくなった」、「自分向けではなくなった」と感じられる可能性があります。ページを変更することで、新しいニーズを満たせるようになっても、従来のユーザーを遠ざけてしまい、結果的に今までの成果を落とすことになりかねないのです。

たとえば、ある企業が店舗管理システムを提供していて、主に初心者向けの機能や料金プランを打ち出すLPで成果を上げていたとします。そこに「中級~上級ユーザーが求める高度な管理機能も紹介したい」という狙いが生まれ、「この機会に既存ページをまとめてリニューアルしよう」という考えに至るケースがあります。しかし、いざ書き換えてみると、初心者にとって重要だった導入方法や手頃な料金プランの説明が削られ、中級~上級者向けの専門用語や複雑な設定が目立つページに変わってしまうかもしれません。そうなると結果的に、従来の訪問者が「難しそう」、「自分には合わないかも」と感じて離脱するリスクが高まります。

ここで大切なのは、既存ページを変えるときほど「今、そのページを利用している人」の存在を意識することです。もともと、初心者向けの手軽さに魅力を感じていたユーザーが多いなら、大きく方針を変えた結果、コンバージョン率が下がる恐れがあります。もし新たなターゲット向けのニーズが大きく異なるようなら、あえて新しいLPを作成したほうが混乱を避けられるかもしれません。一方で、もともとのターゲットと新しいターゲットがそこまで違わないなら、既存ページを調整する形でも対応できるでしょう。

すべてを一つのページに盛り込みすぎると、情報量が増えすぎて結局どの層にも中途半端な印象を与えかねません。たとえば、初心者向けの導入ガイドを期待していたユーザーが、いきなり上級向けの複雑な機能ばかりを目にすれば「自分には合わないのでは」と感じるでしょうし、上級者が必要としている詳しい設定や活用事例が省かれていれば「物足りない」と思われるかもしれません。

こうしたすれ違いを防ぐには、リニューアル予定のページを従来から見ているユーザーと、新しく狙いたいユーザーの両方がどう受け止めるかを前もって想像しておくことが大切です。そうすれば、あとになって「こんなはずでは・・・」と後悔するリスクを低減できます。

リニューアルにあたって要素を大幅に追加したいなら、ページを分割してリンクで行き来できるようにするなどの対応を検討するとよいでしょう。すべてを一つに詰め込もうとすると、ページが散漫になり、どのターゲットにも響かない状態に陥りやすいので注意が必要です。

結局、既存ページをリニューアルするときほど「いまの訪問者をどう扱うか」が肝心です。新規の顧客層にアピールできるからといって、これまでのターゲットを手放すのはもったいない話です。

今回のテーマについて、押さえたいのは次のことです。
既存ページを大幅に変えると、従来のユーザーのニーズと合わなくなる可能性がある
・新たなニーズが既存ユーザーと共通点があるのか、あるいは大きく違うのかを見極める
・大幅な変更で混乱を招くなら、別ページを用意して新しいターゲットにアプローチする
・一つのLPで複数の層をカバーする場合、分量と構成を厳密に設計しないと逆効果になりやすい

LPを改善するときは、今すでに来ているユーザーをないがしろにしないように配慮しましょう。そんなLPの改善に欠かせない知識とノウハウを体系的に学べるのが弊社の養成講座です。


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株式会社キーワードマーケティング 執行役員/インハウス支援室 室長/マーケティング支援/現役のマーケター&広告運用プレイヤー