こんにちは!
キーワードマーケティングの石川です。
マーケティング施策として「動画」を活用するケースは多いものの、「なんとなく動画なら効果が出るはず」といった漠然とした考えで制作・配信を行うと、思うような成果を得られないことがあります。
そこで今回は、動画広告を企画・運用する際に押さえておきたい8つのポイントについて解説します。
1. 動画広告の目的・KPIを明確にする
「なぜ動画広告を作るのか?」という問いに対する答えがあいまいだと、成果指標(KPI)の設定が難しくなり、評価基準もブレてしまいます。たとえば、新商品の認知度向上が目的であれば、ブランドリフト(商品の認知度や好意度の上昇など)に注目します。販売促進が目的の場合は、購入数や問い合わせ数といった指標を重視する必要があります。いずれの場合も、事前に「ユーザーにどのような行動を起こしてほしいのか」を明確にして、それを数字で追える形に落とし込むことが大切です。
2. ターゲットを定義し、ペルソナを設定する
動画はテキストや静止画に比べて情報量が多く、強いインパクトを与えられる反面、ターゲットが明確でない場合は「どの視点で見せるか」が曖昧になりがちです。そのため、まずはターゲットの生活習慣や価値観、行動パターンなどをしっかりイメージし、そして、ペルソナの設計もしてみましょう。
3. 「ユーザー視点」のストーリー設計を忘れない
「動画は視覚的で注意を引きやすい」といった理由だけで制作に取りかかると、企業目線のメッセージを一方的に押し付ける形になりがちです。たとえば、化粧品ブランドが「成分のよさ」ばかりを強調するだけの動画を流しても、ユーザーの興味を引きにくい場合があります。この場合、「使った翌朝に肌がどう変わるか」や「実際に使っている人のリアルな声」をストーリーに落とし込むと、ユーザーの心に刺さりやすくなるかもしれません。ユーザーが「もっと知りたい」と感じられるストーリー作りを意識することが大切です。
4. 訴求内容と目的をブレさせない
認知度向上が目的なのに、動画の冒頭から「今すぐ買って!」といったプロモーション要素を強く打ち出してしまうと、ユーザーは違和感を覚えがちです。まずは、ブランド理解や興味を高める段階なのか、それとも購入や申し込みなど具体的アクションを促す段階なのかを見極め、それに合わせて訴求内容のバランスを調整しましょう。段階に合ったメッセージとゴール設定を行うことで、効果的な動画広告になることが期待できます。
5. クリエイティブの最適化。フォーマット・尺・サムネイルなど
動画の尺が長いほど情報量は増えますが、その分、最後まで視聴してもらうハードルも高まります。一方、短い動画は視聴完了率が上がりやすい反面、必要な情報を十分に伝えきれないリスクもあります。そこで重要なのは、配信先のメディア特性やユーザーの行動を調査し、それに合わせて適したフォーマットや尺を設定することです。さらに、サムネイルは「動画を見てもらう入り口」になるため、視聴者が思わずクリックしたくなるデザインや文言を工夫することも欠かせません。
6. 配信媒体・流入元の特徴を踏まえてプランニングする
動画広告の効果は、配信先の媒体特性やオーディエンス特性との相性で大きく左右されます。YouTube、Instagram、X、TikTokなど、どのプラットフォームを活用するかを考え、それぞれに合わせてカスタマイズするのが理想です。「どこで、どのように接触するか」によって、動画の方向性やシナリオは変わることもあるため、媒体の特徴をリサーチしたうえで、目的やターゲットとすり合わせることが重要です。
7. 成果を定点観測し、必要に応じて広告を改善する
動画広告は、一度制作して配信すれば終わりというものではありません。配信後のデータ分析が重要です。たとえば、再生率の途中離脱箇所をチェックすると、どのタイミングでユーザーの興味が離れているかがわかります。そこを改善し、冒頭数秒の演出を変えたり、テロップの入り方や文言を修正したりすることで、パフォーマンスが向上するケースも少なくありません。
8. メッセージを一貫させ、ブランディングと販促を両立させる
動画広告であれもこれも詰め込みすぎると、結局どれも伝わらない内容になってしまいます。たとえば、通信サービスの動画で「通信速度」「料金の安さ」「サポート体制」「利用者の口コミ」などをすべて紹介しようとすると、1分半の動画が単なる羅列となり、インパクトに欠ける仕上がりになる可能性があります。こうした状況を避けるには、内容を適切に絞ることが大切です。たとえば、「通信の安定性」を最も打ち出したい場合には、そこを軸に据えて強調すると効果的でしょう。
動画広告は、テキスト広告やバナー広告と比べてリッチなコミュニケーションを実現できますが、作り手の視点だけで進めてしまうと失敗しやすい面もあります。今回お伝えした8つのポイントを押さえつつ企画・制作を行い、さらに配信後の結果を分析して改善を重ねていきましょう。
そんな動画形式の広告を作成するポイントも学べるのが、弊社の養成講座です。
600社以上が入会したキーワードマーケティング研究会。マーケティングや広告運用について個別に相談できます。
実用的なマーケティングの知識とノウハウも提供しています。
Zoom相談、動画視聴、ニュースレター購読を無料体験できます。