こんにちは!
キーワードマーケティングの石川です。
スマホ向け充電器のレンタルサービス「ChargeSPOT」を、みなさんは利用したことがあるでしょうか。先日の日経新聞に、ChargeSPOTの事例が掲載されていました。
ChargeSPOTが成長した背景には、「量が質を生む」戦略があるとされています。
この事例を分解すると次のような感じです。
・スポット数が多いため「近くにある」「すぐ返せる」となり、ユーザー体験の質が向上する。
・スポット数が多いため在庫が分散され、常に借りられる確率が高まり、“使えるサービス”という信頼感が醸成される。
・設置台数が多いため利用データが膨大に集まり、分析を通じてサービスの質をさらに高められる。
「数を増やすことにより質を高められる」ということですが、この事例が示すのは、最初から質の高い結果を追い求めるのではなく、まず市場における量を取りに行くことで、その後に質がついてくるという考え方です。
広範囲にサービスを行き渡らせたことで利用者の信頼を獲得し、結果として収益性も向上したわけですが、これは量の拡大が質の向上を生んだ例と言えるでしょう。
この「量が質を生む」という発想は、広告運用においても大切です。
「量より質か、質より量か」は広告運用で議論されることのあるテーマですが、「できるだけ質の高い広告を作れば効果が出る」と考える方は多い印象です。
ただ、実際には量を重視した方が成果につながる場合も少なくありません。
たとえばデジタル広告の世界では、まず多くの施策を試し、その中から有効なものを見極める方が成果への近道になるケースもあります。
広告クリエイティブでいえば、最初から完成度の高い1本に賭けるよりも、複数のバリエーションを用意し、PDCAサイクルを回すことが大切です。数多くの試行の中から市場(顧客)の反応が良いパターンを見つけ、それをもとに全体の成果を底上げしていくわけです。
具体的には、クリエイティブやターゲットを変えた広告を少額予算で複数走らせ、どの組み合わせが効果的かデータを集めます。試行回数を増やすことで、当初想定していなかった当たりクリエイティブやセグメントを発見できる可能性が高まります。
もちろん予算が限られる場合は、現場の情報やアクセス解析のデータを基に仮説を立て、特定のセグメントや方向性を絞って検証するアプローチも有効です。
要は、最初に広く展開してから絞る方法もあれば、制約の中で絞り込みから始めて徐々に広げる方法もある、ということです。
ただし共通して言えるのは、一定の量を確保しなければ正しい判断はできないということです。データ量が不足すれば、広告の良否を見極めることもできず、機械学習による最適化も進みません。つまり、広告運用ではどこかの段階で必ず「量」を取る発想が求められます。
もちろん闇雲に量を増やすのは逆効果ですが、質を求めるにはその前提として量が必要です。広告主にとっても、配信システムにとっても、得られたデータから学習し施策の質を洗練させることが不可欠だからです。多くのトライ&エラーで磨かれた施策こそが、価値のある資産になると考えます。
こうした「データ量を集める」という観点で見れば、向いている広告のひとつがディスプレイ広告です。検索広告と比べて基本的にクリック単価が低いため、同じ予算でもより多くのデータを得やすいからです。
ディスプレイ広告は検索広告に比べてコンバージョンの獲得効率が劣ると言われることもありますが、基本と応用を押さえて運用すれば、成果につながることが期待できる有効な手段です。
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