なぜ売上にこだわる広告運用が成功を遠ざけるのか

こんにちは!
キーワードマーケティングの石川です。

広告を成功させるためには、まず「役割」を明確に定義することが重要です。

役割ですが、広告の「役割」を単に「売上を上げること」とするのは、実は失敗につながることが多いです。なぜなら、広告が本来担うべき役割は、売上に直接結びつく前段階にあることもよくあるからです。

たとえば、ある企業が新商品を市場に投入したとします。この企業が広告の役割を「新商品の売上を1,000万円にする!」と設定した場合、仮にその売上目標を達成できなかったとしましょう。問題は、その際に、売上目標が達成できなかった理由が広告の効果不足によるものなのか、それとも他の要因(市場の状況や競合商品の存在など)が影響しているのかを判断することが難しくなる点です。

この結果、広告戦略全体の効果を正しく評価できず、見直しを余儀なくされることになります。こうした状況は、無駄なコストの発生につながるリスクを高めるのですね。

ここで重要なのは、広告の役割を「売上」という最終結果に設定するのではなく、売上を上げるために必要なプロセスの一部として位置づけることです。

× 新商品の売上を1,000万円達成するために広告を出す。
◯ 見込み客に、商品について、問い合わせや資料請求をしてもらうために広告を出し、100件の資料請求を獲得する。

このように、広告の役割を具体的かつ測定可能な形で定義することで、成果を正しく評価でき、次の戦略へ効果的につなげることができます。

広告の役割を、「市場シェアの拡大」とすることもありますが、これは慎重に考えるべきです。市場シェアの拡大には多くの要因が絡みますが、広告の役割としては、その前段階で達成すべき具体的なアクションを設定するのがよいでしょう。

× 市場シェアを10%から30%に拡大するために広告を出す。
◯ 市場シェア拡大のために、ブランド認知度を向上させる広告を出す。
◯ 市場シェア拡大のために、メッセージ浸透率を高める広告を出す。

このアプローチによって、消費者は商品に対する理解が深まり、結果的に市場シェアの拡大につながる可能性があります。

このように、広告の役割を「売上」や「市場シェアの拡大」に直接結びつけるのではなく、「認知度の向上」や「見込み客の獲得」など、具体的で測定可能な目標に設定することが重要です。

たとえば、見込み客の獲得を目標とする場合、「問い合わせの件数」や「資料請求の数」、「メルマガ登録者の数」といった明確な基準を設定します。こうすることで、広告の効果をより正確に評価でき、次の戦略を立てる際に、実際のデータに基づいた改善が可能となります。

また、「広告の真の役割」を理解し、共通の認識を持つことは、関係者全員が同じ方向を目指し、一貫した戦略を展開するために不可欠です。この考え方は、運用型広告(検索広告やディスプレイ広告)でも、もちろん同様に当てはまります。

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株式会社キーワードマーケティング 執行役員/インハウス支援室 室長/マーケティング支援/現役のマーケター&広告運用プレイヤー