広告分析で陥りがちな「致命的な問題」とその回避策

こんにちは!
キーワードマーケティングの石川です。

広告運用において、成果を最大化するための鍵となるのが「分析」です。

しかし、分析が間違った方向に進むと、得られるはずの成果を逃してしまうこともあります。特に注意したいのは、「分析漏れ」や「誤った結論」によるリソースの無駄遣いです。

広告分析の第一歩は、全体を分解し、どの要素が成果に影響しているのかを明確にすることです。そのために取り組むことは、数値を分解して原因を探ることになります。

たとえば、コンバージョン数やCPAに問題がある場合、それを構成する要素に分けて原因を見つけますが・・・

コンバージョン数=クリック数 × コンバージョン率
→ コンバージョン数の減少は、「クリック数の減少」または「コンバージョン率の低下」に分解して考えます。

CPA(コンバージョン単価)=クリック単価 ÷ コンバージョン率
→ CPAが高い場合は、クリック単価かコンバージョン率、どちらに問題があるかを切り分けます。

そして、分析において重要なのが全体像から細部へ進むことです。
分析で陥りがちな失敗は、「細部ばかりを見てしまい、全体像を見失うこと」なのですね。たとえば、キーワード単位での数値にばかり注目すると、キャンペーン全体のパフォーマンスを見落とす危険性があります。

ステップは、次のような感じです。

1.キャンペーン単位の全体パフォーマンスを確認
2.広告グループ別のデータを確認
3.キーワードやターゲティングなど細部を精査

分析で成果を判断するには、必ず比較が必要です。
ただし、比較の仕方を間違えると、誤った結論につながります。

適切な比較対象を選ぶ必要があり、たとえば「コンバージョン率」と「クリック率」を比較するのは誤りです。異なる性質の指標を比較しても意味がありません。同じ軸での比較を意識しましょう。

そして、横軸と縦軸での比較を組み合わせることも大事で、時間的な変化(横軸)とセグメント別(縦軸)の比較を組み合わせることで、深い洞察が得られます。

分析においては、短期的な成果に惑わされないこと、そして、過去データとの比較で持続性を測ることが重要です。これを、ブラックフライデー後の分析で注意すべき点として説明します。

まず、短期的な成果に惑わされないですが、ブラックフライデーの期間中はコンバージョンが一時的に急増することがあります。しかし、このデータをそのまま通常の広告施策に当てはめると、過剰な予算配分や効果の薄いキーワードの追加につながる可能性があるので注意が必要です。

過去データとの比較で持続性を測るについては、たとえば、前年のブラックフライデーと比較し、今年の成果が一時的なものか、それとも長期的な需要の変化を示しているのかを見極めることが大切です。

陥りがちな致命的な問題として、特に知っておきたいのは次の3つです。

1.分析漏れ
2.間違った比較
3.短期的なデータに依存

分析漏れについては、全体像を把握してから細部を見る習慣をつけることで、見落としを回避できます。

間違った比較については、同じ指標や条件を揃えたうえで比較を行いましょう。

短期的データに依存しないためには、複数の期間にわたるデータを比較し、その背景にあるトレンドや季節性も考慮することが大切です。特定の期間だけを基準にすると、例外的な結果を基にした誤った判断を招く可能性があります。

広告の分析は、日々の改善と発見の連続です。今回のポイントを一つずつ実践しながら、より精度の高い広告運用を目指してみてください!


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株式会社キーワードマーケティング 執行役員/インハウス支援室 室長/マーケティング支援/現役のマーケター&広告運用プレイヤー